
家庭菜園といえばトマト?
家庭菜園を始めようと思う人の中で、トマトを育てようと考える人は多い。
特にミニトマトは丈夫で育てやすいからです。
多少実が割れても虫食いがあっても、ミニトマトは鈴なりに生るので収穫が見込める。
茎なんて多少折れても、テープで固定していれば成長する。
脇芽からどんどん苗も作れる。
虫にも結構強い。
トマトを育ててみて、その生命力に驚くくらいだ。
晩夏が来て、トマトの収穫を終え、残渣(ざんさ)処理をする。
園芸初心者で、夏の間トマトを育てることしか考えてなかった。
さて、これからどうしようか。
肥料も農薬も支柱などの備品も、ゴロゴロと残っている。
もったいないから、何かほかの作物を作ろうか。
しかし、栽培の知識は全くない。
最初は、土に苗を植えれば勝手に育つ、としか考えてなかった。
店先でトマトの苗を見て、勢いだけで買ってしまった。
家庭菜園がきっと運動になるだろうと。
きわめて単純な動機である。
実際に夏に家庭菜園を始めて、見通しの甘さを実感する。
暑さ、雑草抜き、伸びまくる茎の手入れ、欠かせない水やり。
農業は体力と知識と経験の塊だった。
手軽に作れるというトマトでも苦労するのだから、ほかの作物はきちんと調べてから作ろうと思う。
家庭菜園で何を作ろう
家庭菜園で何を作ろうか?と考える。
自分が好きな野菜を作ろうか。
買ったら高い野菜を自分で栽培しようか。
あれこれ種を見る。苗も見る。ネットでも検索する。
けれど、希望を叶えるためには大きな壁がある。
その作物を育てる技術だ。
園芸初心者にとってそれが作りやすい作物なのだろうか?
初心者は野菜を作った経験がほとんどない。
作りやすいのか作りにくいのかも分からない。
栽培するために、どんな知識が要るのかも分からない。
土に種を撒くか、苗を植えれば育つんだもん、と思っていたが、
トマトを育ててみて甘かったと分かる。
勝手に育てようと思えば、確かに季節柄勝手に伸びていく。
しかし、伸びた枝は倒れてきてしまうし、虫も付く。
「作物にはその作物なりの<育て方>があるのだ」
折れてもへこたれないような丈夫なトマトを育てても大変だったのに、
もっと繊細な野菜を育てたらどうなるのだろう。
何を作ろうかを決めたら、どうやって栽培するのかを知らなければいけない。
ここから試行錯誤が始まり、数多くのチャレンジと失敗を繰り返すことになる。

