嗜好品はやめられない、最初はやめなくてもよい
人類にとって食べ物は生きるためのものでした。
現代においては、特に先進国では、食べ物は生きるためだけではなく嗜好品の一つにもなっています。
特に、甘いお菓子類などは嗜好品でしかありません。
しかし、その嗜好品こそがやめられない。
ダイエットや食生活指導で一番躓くのは、実はこの「嗜好品をやめる」という壁なのです。
お腹が空いて、栄養を取るだけならば、他の何かを摂れば良いだけです。
嗜好品は「快楽のために食べる」ので、とてもやめにくい食品なのです。
食生活改善を病院で受けたり、ダイエットで決意したりするとき、お腹を満たすための食べ物と嗜好品の食べ物を区別しておかなければいけません。
本やサイトには、~を食べよう、~を控えよう、と一覧のように書いてあります。
それらを全部まとめて改善しようとしてしまうと、苦しさの度合いが異なることを感じるでしょう。
肉より魚をできるだけ食べましょう。
野菜を多く食べましょう。
こういったものはある意味、体を維持するために食べる行為です。
魚や野菜が苦手でなければ、食べる比率を変えることは比較的容易にできます。
しかし、好みが出てくる食べ物こそが問題なのです。
この人にとっては、あるものがやめられない。
ある人にとっては、違うものがやめられない。
それは嗜好品だからです。
嗜好品をやめることは、辛くてかなり困難です。
嗜好品の摂取をコントロールする方法が載っていなければ、どんな本をどんなサイトを読んでもなかなか成功しません。
糖質制限を成功させるコツ
糖質制限については、成功の可否は最初の時期に我慢できるか、が大きい気がします。
砂糖への欲求は依存(アディクション)があるので、離脱症状の時期をいかにやり過ごすか、が大事なのです。
離脱症状が強く出る時期だけ、ジタバタ抵抗すると後は続けやすくなります。
糖質制限を始めた最初の頃は、まず、必ず食品の糖質量を見ましょう。
糖質制限ダイエットはおおよそに分けると、プチ・スタンダード・スーパーという糖質制限の区分があります。
それぞれ1日の摂取できる糖質量が違います。
自分の選んだ糖質制限の区分で、食べようとしている主な食品の糖質量を調べましょう。
食品に関しては裏書きで糖質量が載っています。
材料については、ネットでも本でも糖質量を調べることができます。
そしてゲーム感覚で糖質量を積算していきます。
概算で細かくする必要はありません。
糖質量の上限が来たら、その日はゲームオーバーになります。
ただし、もし糖質量の少ない食べ物を見つけたら、いくらでも食べ加えていくことができます。
お菓子が食べたければ、糖質の少ないものを探し出せば食べられます。
飲酒したければ、糖質量の少ないものを探せば良いのです。
あれをするな、あれを控えろ、と言われるとどれだけやめれば良いのか判断に迷うでしょう。誘惑にも負けるでしょう。
プチ・スタンダード・スーパーの糖質制限のどれかを選んで、1日の食べる糖質量をどこまで食べられるかを足していくだけを行うのです。
1日の糖質摂取量はおおよそ
プチ糖質制限で110~140g、
スタンダート糖質制限で70~100g、
スーパー糖質制限で30~60g、
といわれています。
最初はプチ糖質制限から始めて、慣れてくればスタンダード糖質制限に移行しても構いません。
かなり慣れてくるとスーパー糖質制限もできます。
ただスーパー糖質制限を行うと、間食ができない場合かなり空腹感と戦わなければなりません。
間食ができない環境の人は、プチ糖質制限かスタンダート糖質制限を選んだほうが楽に達成できます。
プチ糖質制限の人は(1食だけ炭水化物を抜く)、炭水化物の量をコントロールして(食べすぎない)、嗜好品の糖質量を調べて低糖質のものを選べば達成できます。
プチ糖質制限を行って3食とも炭水化物が食べたい人は、食べる量を少し減らすか、もしくはできるだけ低糖質の炭水化物を食べると良いでしょう。
低糖質のお菓子も食べることができます。
スタンダート糖質制限やスーパー糖質制限を選んだ人は、達成するためには少しハードルが上がります。
まず炭水化物を2食または3食をやめられる人は、炭水化物を抜いて、低糖質の嗜好品を選びましょう。
炭水化物の糖質量が一番高いので、きちんと炭水化物をやめられる人は糖質量の制限を達成できます。
しかし炭水化物を1食(夜だけとか)は抜けるけれど、朝は炭水化物を食べたい、昼は炭水化物を食べたい、食べないと体が持たないという人は、スタンダート糖質制限やスーパー糖質制限を達成することは難しくなります。
この場合は、まず炭水化物をかなり低糖質にする必要があります。
ご飯にこんにゃく米をたくさん混ぜて低糖質ご飯(おにぎりして持っていくなど)にする。パンなら甘みの少ない低糖質パンを選ぶ。
そして自宅では低糖質の調味料を使って料理する。
嗜好品は糖質ゼロに近いものを選ぶ。
糖質制限を始めると、嗜好品をやめようとする人が出てきます。
嗜好品はいきなりやめられません。
積算で糖質量を超えないように摂れば、糖質制限は達成できます。
糖質制限を始めると砂糖の塊に見えてくる
「1日の糖質摂取量を積算していくゲームをする。」
嗜好品は選びさえすればやめなくても良い。
最初は、どの食品にどれだけ糖質量が含まれるのかが分からないかもしれません。
しかしネットで調べるとすぐに出てきます。
定食だって外食だって、ファーストフードだって、いくらでも糖質量が載っています。
最初はルールがわからないゲームも、だんだん要領が分かってきます。
ちょっと見ただけで、糖質が多いか少ないかが判断できるようになります。
糖質積算ゲームがサクサクできるようになります。
そうすると、糖質過多の食べ物が砂糖の塊に見えてきます。
もし糖質量80gの食品を手に取れば、上限までの赤信号が出てきます。
手にとった食品の糖質量が100gを超えていたら、もし全部食べてしまうともうゲームオーバーです。
次に見つけた商品は低糖質。これはいっぱい食べられます。
このゲームを数週間だけします。
数週間後?
数週間後には、糖質制限に少し慣れてくるはずです。
少し慣れてきたと思えれば、その時もう数週間続けるか決めましょう。
次の数週間が過ぎた頃、かなり変化に気がつくでしょう。
体重が減るかもしれません。
離脱症状が減るかもしれません。
低糖質の嗜好品は食べられるので、糖質制限をもう少し続けませんか?