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トマト栽培(9)育てる過程が楽しい?

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Tosakura @2017 shiori natsuno

収穫すると特別感が消える?

ミニトマトが赤く色付き、ついに収穫。

暑い中世話もして苦労したよね、ついに感動の収穫だ、と赤いトマトに手を伸ばす。

ぷりぷりした立派なミニトマト。

スーパーで売っているプロ農家のミニトマトと比べても遜色ない。

熟したミニトマトは、手で簡単にポロッと取れる。

トマトの樹に生っているミニトマトを、手に取る。

なぜだろう?

手の上にあるミニトマトがただのミニトマトに見える。

いや、育てているのがミニトマトなのだから、ミニトマトはミニトマトのはず。

育てているミニトマトの樹に生っている実の特別感はなんだろう?

特別に感じる実が、収穫した途端に普通にミニトマトに見える。

いや、普通に感じるというべきか。

ふと気がついた。

育てている特別感があったのだと。

野菜を育てる過程が楽しい?

「収穫以上に育てること自体が楽しい」

家庭菜園で、

種を蒔いたり、苗を植えたり、

水や肥料をやったり、雑草を抜いたり、

野菜が成長したり、うまく育たなかったり、虫に食われたり、

成長していく過程を観察する時間が楽しい。

家庭菜園では育てる過程が楽しい。

商売としての責任感がないから、純粋に育っていくのを見るのが楽しい。

育てている野菜は毎日変化し、同じ姿を見せない。

栽培計画を立てて植える。

試行錯誤して育てる。

毎日の変化を楽しむ。

結果としての実を収穫する。

経験を通して、次回や後作の計画を立てる。

これを繰り返す。

生育は天候に左右されるため、自然相手の栽培を実感しながら、育っていく姿を眺める。

うまく育たたないときや、虫食いのときなどはがっかりするが、それすらも経験として楽しんでいるかもしれない。

ミニトマトの樹に生っている実は、育っている姿で、

収穫した実は、野菜としてのミニトマトの姿なのだ。

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