糖質制限は本当に一番良い食事法なのか?
食物からのエネルギー摂取を考えるとき、炭水化物を減らそうと考えるのが糖質制限の食事法です。
体重が減って痩せやすいため、ダイエット方法としてよく行われています。
実際に糖質制限ダイエットを行ってみると、きちんと糖質制限ができれば短期間に痩せられました。
糖質制限での食事は、ローカーボ食つまり低炭水化物の食事をします。
炭水化物を減らした分だけ、脂質を摂ることになります(高脂質食)。
脂質制限という食事は、糖質を摂るけれど脂質量を減らす方法です。
つまり炭水化物量は減らさない(高炭水化物食)けれど、脂質量を減らします(低脂質食)。
脂質制限でも体重は減るのでダイエット効果はあります。
糖質制限と脂質制限の両方を実践した見た結果は、ただ脂質制限よりも糖質制限のほうが痩せやすいです。
糖質制限での体重減少はかなり急激なので、ゆっくりしか体重が減らない脂質制限よりも短期間でのダイエット効果がはっきり出てきます。
短期間にダイエット効果を上げたい人は糖質制限のほうが効果は大きいですが、そのかわり高脂肪食になりがちです。
脂質では、飽和脂肪酸(主に動物性脂肪)、不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪、青魚など)があります。
高脂肪食で飽和脂肪酸の摂り過ぎが良くないと言われ、不飽和脂肪酸の摂取を考えた食事方法が流行したりします。
野菜中心主義のベジタリアン、完全野菜主義のビーガン、オリーブオイルと野菜・魚介類を中心にした地中海式ダイエットなど。
しかし、どれも普通食が食べたい人にとっては継続が難しい。
地中海式ダイエットは費用的に高くなりがちです。
糖質制限を行う食事法は、低炭水化物+高脂質となります。
(低炭水化物+低脂質をすると倒れちゃいます・・・。)
しかし高脂質は、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)の増加につながる恐れが出てきます。
血液中の脂質の値が異常を示す場合は、脂質について考えなければなりません。
脂質制限を行う食事法は、高炭水化物+低脂質となります。
どちらが良いのでしょう。
低炭水化物と高脂肪の食事
「低炭水化物+高脂肪」の食事と「高炭水化物と低脂肪」の食事、どちらを行うほうが良いのでしょうか。
短期で期間を区切って痩せたい人は「低炭水化物+高脂肪」の食事法の方が痩せやすいです。
短期という期間という前提を付けたのは、「低炭水化物+高脂肪」の食事法は体にもお財布にも負担が大きいと感じるからです。
「低炭水化物+高脂肪」の食事と「高炭水化物と低脂肪」の食事の両方を実践してみて、その結果は、長く、そして体のことを考えるならば、「高炭水化物と低脂肪」の食事が続けやすい食事法であると感じました。
糖質制限を長く続けることは、色んな面で負担感が出てきます。
まず、炭水化物を減らす(低炭水化物)と食費が上がります。
なぜなら、炭水化物の代わりに何か他の食材に置き換えなければなりません。
炭水化物(お米や小麦のこと)は単価で満腹感が得やすく、脂質も少ない食材です。
次に低炭水化物食を実践すると、お腹の持ちが悪く、空腹感に悩まされ始めます。
脂質は消化が早く、炭水化物よりお腹の持ちが悪いのです。
そのため炭水化物量を減らす代わりに、何かを食べるようになるのです。
糖質制限を始めると、炭水化物がどれだけお腹を満たしてくれていたか、安価であったかを知ることになります。
そして炭水化物は品種改良がされ、味が向上し、人にとって美味しいのです。
糖質制限をすることは、炭水化物の代わりに脂質でエネルギーを補い、そして空腹感に悩む場合が生じるのです。
つまり、糖質制限(低炭水化物食)は脂質を増やす食事(高脂質食)につながっていきます。
糖質制限で炭水化物を減らす分だけ脂質を増やす(高脂質)と、摂る脂質の内容を吟味しなければなりません。
豆製品だけで満足な人、新鮮な魚を毎日安く手に入れられるという人は、高脂質食でもうまくやっていけるでしょう。
しかし、そういう生活ができない人も多いでしょう。
豆製品ばかりでは飽きてしまう、新鮮な青魚がなかなか買えない。
それだけでなく肉も食べたい。
豚肉も食べたい、アルブミンもビタミンB群だって摂りたい。
動物性蛋白質を摂らせてください・・・。
高炭水化物と低脂肪
「低炭水化物+高脂肪」になる糖質制限と違って、脂質制限は「高炭水化物と低脂肪」の食事になります。
低脂質といっても脂質を摂らないわけではありません。
脂質の量と質を考えて、過食している分を減らしましょうという意味です。
また、たんぱく質は十分に摂ります。
脂質制限では、脂質の少ない炭水化物を十分に摂れます。
そのため空腹感に襲われる事がなくなります。
食事両方を実践する時に、「空腹感」や「口寂しさ」というものが辛く続けていくための障害になります。
脂質制限は食べる量の満足感を得やすいため、続けやすいのです。
糖質制限ほどではありませんが、脂質制限でも緩やかに痩せていきます。
空腹感を感じずに痩せることができるので、ダイエットの苦痛は糖質制限ほどありません。
甘さという味覚については、糖質制限では低糖質のお菓子以外食べることはできませんでした。
糖質制限で一番挫折する部分は、この糖質(甘味)を断つこと。ここで挫折します。
脂質制限では脂質の少ない甘みを摂ることができます。
果物、焼き芋、栗、和菓子などの甘みは脂質が少ない甘みです。
糖質制限とは違って、自然な甘さを味わうことができるので、満足度が高いのです。
糖質制限での代表的な間食であるナッツ類は、これらとは反対に脂質の高い食材です。
脂質制限ではナッツ類は摂りすぎてはいけません。
そして脂質制限は食材費が高くなりません。
安価な炭水化物が摂れます。
脂身の少ない食材は高くはありません。
普段の食材でも脂部分を落とせばそのまま使うこともできます。
では、脂質制限とはどういったことを具体的にすればよいのでしょうか。
流行っている糖質制限と違って、脂質制限はあまり詳しく解説されていないことが多いです。
例えば、卵はコレステロール値が高い食材です。
そのため昔は1日1個までと言われてきました。
しかし、今は健康な人は卵の制限はありません。
では脂質制限をする人、脂質異常の人、こういった人はどのくらい卵を摂取しても良いのでしょうか。
肉はどれくらい食べてもよいのか。
魚類ならば脂のあるなしを考えなくてもよいのか。
脂質異常の本を参考にしようとしても、それで料理が作れる様な解説ではありませんでした。
1日の量を書いている本もありましたが、それではあまりに食生活が寂しい献立しか作れません。
脂質制限で何を作ってどう作ったのかは、今後のこのサイトで紹介していきます。
お腹いっぱい食べて、食費がかからなくて、今までと同じ味付けが食べられて、そして痩せる(または太らない)。
甘みという味覚も摂れます。
甘みはお菓子だけではありません。例えば季節の果物が食べられることは疲労時の満足に繋がります。
これらを満たす方法は脂質制限の方でした。
糖質制限は、とても痩せられるけれど、お腹いっぱい感がなく、食費がかかって、同じ味付けが食べられない方法でした。
糖質の少ない果物も食べることはできますが、限られているし値段も高めでした。
のたうち回って我慢した糖質制限をした後の脂質制限は天国に感じました。
りんごを食べて焼き芋を食べてミカンを食べて、食事は脂を除いて普通に調理します。
糖質制限は食べられないものが多いですが、脂質制限は揚げ物以外ほとんど食べることができました。
脂質制限を続けるうちに、気がつけば血液検査の結果は正常値に戻っていました。