商売繁盛、家内安全にご利益があると言われている福笹。
竹がまっすぐに伸びるため、命の力がある(困難に立ち向かう)と考えられ商売繁盛を願って、孟宗竹(もうそうちく)の枝に縁起物の飾りを付けています。
商売繁盛の福笹
「商売繁盛で笹持って来い」でおなじみの福笹。
福笹とは縁起物を付けた枝のことです。
家におまつりして、商売繁盛、家内安全、福の神の恵比寿様から福をもらいます。
高知でもこの福笹を買うことができます。
高知一宮(いっく)にある土佐神社(しなねさまとも呼ばれる)でお正月に頒布されます。
また、いのの大国さまと呼ばれる椙本神社でも福笹が頒布されます。
椙本神社(いのの大国さま)
いのの大国さま(椙本神社)では、春と秋に大祭があり、春の大祭は土佐古来三大祭の一つとも言われています。(土佐の三大祭は諸説ある)
大国祭(春の大祭)は、旧暦1月22日の前の日曜日に行われます。
福俵が付いた笹を手にして福をいただき、この年の幸せを祈願します。
この春の大祭は綺麗な花祭りで、神社に花飾りが飾られ、また、境内の早咲きの花を楽しむことできます。
この春の大祭の花祭りの雰囲気が好きで、毎年福笹を求めに行きます。
御祭神
椙本神社の御祭神は、大国主命(オオクニヌシノミコト)、素戔嗚尊(スサノオノミコト)、奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)の三柱です。
ヤマタノオロチの生贄にされそうになっていた稲田姫(イナダヒメ)が、スサノオにより櫛の姿を変えられます。スサノオはこの櫛を頭に挿してヤマタノオロチを退治しました。
櫛になった姫だからクシナダヒメと呼ばれます。
スサノオはイザナキ(女神イザナミとともに日本国土を作った父神)の子で、アマテラス(天照大神、伊勢神宮の祭神)の弟です。
このスサノヲとクシナダヒメが結婚して、オオクニヌシが生まれます。
大国主命(オオクニヌシノミコト)は日本神話に出てくる有名な神様で、出雲大社の祭神です。
椙本神社では、この大国主命(オオクニヌシノミコト)とその父母神を祀っています。
商売繁盛で笹持って来い
七福神の中で商売繁盛の神様が、恵比寿様(戎様)です。
その恵比寿様を奉って、商売繁盛や福を願って参拝者は福笹を求めます。
関西ではえべっさんと呼びます。
関西では「さん」付けすることが多くあります。
「おいなりさん」「おまめ(豆)さん」「おひ(日)さん」。
「お~さん」。
御所言葉がはじまりとも言われています。
神社も寺も「さん」付けです。
関西では十日戎(とうかえびす)といって1月9~11日に祭りが行われます。
1月10日が本戎、その前日が宵戎、翌日が残り戎と言います。
兵庫の西宮神社、大阪の今宮戎神社、京都の京都ゑびす神社には大勢の人が参拝に訪れます。
「商売繁昌で笹持って来い」というのは、「笹持って来たら商売繁昌させます」という意味ですが、「商売繁盛したら、お礼参りでまた来年笹持って戻ってきなさい」という意味でもあります。
ですから、新しい福笹を買って、去年の古い福笹を返納します。
本物の枝を使っているので、古い福笹は時間が立つと茶色に変わっています。
古い福笹を返し、新しい青々とした福笹を頂いて、商売繁盛と家内安全を祈ります。
今年も高知の神社で、福笹を頂いてきました。